賃金額の相場を知る方法
今回も、人材募集についてお話したいと思います。
前回は、人が応募してくれないからといって軽はずみに求人票の賃金額を
上げると大変なことになりますよ!というお話をさせていただきました。
今回は、『賃金額の相場を知る方法』についてお話したいと思います。
みなさんは、求人票を出される際に、賃金の額をどうするかで悩まれたこ
とはありませんか?
会社として賃金テーブル(経験や能力を元に賃金額を区分した賃金表)をし
っかり作成されているのであれば、その賃金テーブルに基づいた賃金額を
求人票に記載すればいいのですが、賃金テーブルを作成していない会社
や起ち上げて間もない会社にとっては賃金の額をどうするか?という問題
で苦労されている事業所も多いのではないでしょうか?
また、賃金テーブルを作成している会社にとっても、その地域の同業種(例
えばデイサービスの求人を出すのであればデイサービス、特別養護老人ホ
ームの求人を出すのであれば特養)の他の事業所の求人額も気になるとこ
ろだと思います。
ハローワークの相談員をしていた際に、ある介護事業所の求人担当の方か
ら「人が応募してくれないので何とかいい方法はないか?』という相談を受
け、まずは、その事業所を訪問して現場の様子を見学させていただいたの
ですが、「すごく良い!」とまでは言えませんが、働きやすそうな事業所でし
た。
(働きやすい事業所かどうかを判断するポイントについては、下記のブログ
に記載していますので、ご参照ください)
『働きやすい介護事業所の見分け方(身内を入居・利用させたい介護事業所の見分け方)』
https://sr-higashitani.com/2018/12/22/hatarakiyasuikaigojigyousyo-miwakekata/
そんな事業所にもかかわらず、求職者からの応募が殆ど無い理由は、
「賃金額が地域相場よりもかなり安かった」からなのです。
その種類(特養とかデイサービスとか等)の介護事業所の賃金額の地域
相場よりも2万円以上低い額でした。
どんなにいい介護事業所であっても、地域相場をかなり下回っていては、
求職者の方は応募してくれません。
(少し低い程度であれば、介護内容が良ければ(利用者様に楽しく過ごし
ていただけるような取組みを行っている評判の良い事業所)、応募してく
れる場合もありますが、2万円以上低いと求職者からの応募はかなり厳
しくなります。)
その事業所の方には他の介護事業所の賃金額の現状を伝えて、賃金額を
上げた方が良いことを説明したのですが、どうしても上層部の方の許可が
得られず、その後も低い賃金額のままでした。
ということで、『その地域の同じ種類の介護事業所の賃金額の相場』を知る
ことは重要です。
では、『その地域の同じ種類の介護事業所の賃金額の相場』を調べるには
どうすればいいか?
『ハローワークインターネットサービス』を使います。
https://www.hellowork.go.jp/index.html
『ハローワークインターネットサービス』とは、ハローワークの求人票が掲載さ
れているインターネットサイトのことです。
具体的な方法は、
① ハローワークインターネットサービスのホームページにとぶ
② 『求人情報検索』ボタンをクリックする
③ 『就業場所の都道府県』で自分の介護事業所がある県をチェックする
④ 『検索』ボタンをクリックする
⑤ 就業場所欄をクリックし、自分の介護事業所がある市・町・区を手入力
する
(例えば、自分の介護事業所があるのが大阪市の此花区というところ
であれば『大阪市此花区』と入力する)
⑥ 仕事内容欄をクリックし、
大分類 : E サービスの職業
中分類 : 36 介護サービスの職業
を選択し、確定ボタンを押す
⑦ フリーワード欄をクリックし、
『空白で区切ることにより複数キーワードを指定できます。』の下の欄に
、事業所の種類を入力する。例えば、デイサービスであれば『デイサー
ビス』、特養であれば『特別養護老人ホーム』と入力する
⑧ 検索ボタンを押す
これで、大阪市此花区のデイサービスの介護スタッフの求人票が出てくるの
で、各求人票の賃金額を確認していただければ、その地域のデイサービス
の賃金額の相場が分かります。
※ フリーワード欄に入力した文字は、求人票の中のすべての文字を検索
するので、検索した文字とは違う種類の求人票(例えばデイサービスと
入力したのに特養の求人票が出てくる等)が混ざってしまうことがありま
す。
この方法は、統計等の数字とは違い、生の求人票の額が分かるので、例え
ば、自分の事業所の近くの介護事業所がハローワークに求人募集を出して
いたりすると、それも分かります。
上記の方法等で賃金相場が分かれば、可能であれば賃金相場より少し高い
ぐらいの賃金額を設定するのがベターです。
(もちろん、各介護事業所の台所事情もあるので、それも踏まえて賃金額を
決定するようにしてください!)
賃金額でお悩みの事業所様は一度調べて見られてはいかがでしょうか?
(資料)
公益財団法人 「平成29年度 介護労働実態調査結果について」
http://www.kaigo-center.or.jp/report/pdf/h29_chousa_kekka.pdf