職場の人間関係を改善する方法 ④(経営理念の作り方 その1)

今回は「職場の人間関係改善シリーズ」第2弾

「職場の人間関係を改善するための経営理念の作り方」

についてお話ししたいと思います。

 

人は生活するためだけに働いているのではありません。

 

その証拠に、いくら高い給料を支払っていても、働き甲斐がなければ人は

辞めてしまいます。

 

逆に、お給料が安くても生活できるだけの給料を貰えて楽しく働ける職場では、

退職する人が殆どいないという会社も多々あります。

 

ただし、生活できないお給料ではいくら楽しく働けても辞めざるを得ないので、

お給料については、地域相場を意識した額を支給するようにしてください。

(賃金額の決め方については、また、別の機会にお話します)

 

少し話が反れてしまいましたが、何が言いたいかというと、

「働き甲斐のある職場」にすることが離職者を少なくするためには重要である

ということです。

 

では、利用者様に高いサービスを提供したいと考えている介護スタッフにとって、

「働き甲斐のある職場」とはどのような職場でしょうか?

 

前にもブログに書きましたが、そのような介護スタッフは、

「利用者様に喜んでもらえて、楽しく働ける職場」を何よりも望んでいるのです。

 

私も何カ所もの介護事業所を渡り歩き、またハローワークの相談員として何百

箇所もの介護事業所を見てきましたが、利用者様に高いサービスを提供してい

る事業所は、共通して、介護スタッフも利用者様と一緒に楽しみながら仕事をし

ています。

 

つまり、利用者様に高いサービスを提供したいと考えている介護スタッフは、

「利用者様に喜んでもらえることだったらどんどんやっていこうよ!」と全員が

 考えている介護事業所で働きたいのです。

 

では、そのような介護事業所にするためにはどうすればいいか?

 

みんなが「利用者様に喜んでもらえることだったらどんどんやっていこうよ!」

と考えるようになる経営理念を作成し、職員全員に浸透させればいいのです。

 

「経営理念」とは、「企業の個々の活動方針のもととなる基本的な考え方」

意味します。

つまり、簡単に言うと「その企業で一番大切な考え方」のことです。

 

社員はもちろん、役員や経営者もこの「経営理念」に反した行動はできません。

 

社員は守らなければいけないが、役員や経営者は守らなくていいものなど、

「経営理念」どころか、「ルール」ですらありません。

 

そんな事業所は早く辞めて、もっと良い介護事業所を探されることをおすすめ

します。

 

この「経営理念」ですが、事業経営の本などにもよく記載されており、

「企業には、経営理念が重要だ。経営理念は経営者が考えに考えて絞り出した

 ものでないといけない」

などと書かれています。

 

「その企業で一番大切な考え方」なので、経営者の思いや考えを煮詰めに

煮詰めて作成しなければいけないということはよくわかりますが、初めて

経営理念を作成するときに、そんなことを言われてもどうやって作っていいか

分かりませんし、それだけで、投げ出したくなるものです。

 

なので、私は、「どんな経営理念を作っていいか分からない」という方には、

次の経営理念をお勧めしています。

① 私たちは利用者様に毎日笑って過ごしていただけるよう全力を尽くします

② 仕事は仲間同士助け合って行います

 

私は最初の経営理念はこの2つで十分だと思います。

 

もちろん、経営しているうちにもっと良い経営理念に変えたいのであれば、

ドンドン変えていただいて結構ですが、上の経営理念でも十分活用して

いただけると思います。

 

① 私たちは利用者様に毎日笑って過ごしていただけるよう全力を尽くします

については、その言葉通り、利用者様に楽しんで過ごしていただけることを一番

に考えてサービス提供していくことを宣言しています。

 

何か困ったことや問題が発生した場合も、この経営理念に基づいて考え行動す

ることによって、利用者様にホスピタリティ溢れるより良いサービスが提供できる

ようになります。

 

② 仕事は仲間同士助け合って行いますについては、これもその言葉通り

他のスタッフが困っていたら助け合って仕事をしていくうちに、団結力や職場

環境はどんどん良くなっていきます。

 

「私の仕事はここまで。ほかの人の仕事は私には関係ない」という職場では、

より良い人間関係を築くことはできず、ドライな職場となってしまいます。

 

この2つの経営理念をおすすめする理由は、今申し上げた通り、より良いサー

ビスを利用者様に提供できるようになることと、職場の人間関係を良くする

効果があるということと、もう一つ、

「分かりやすく、スタッフの心に響きやすい」

ということが挙げられます。

 

一般的な経営理念で、

「より良い福祉サービスを提供することにより、地域に貢献する」

というような経営理念をよく見ます。

 

もちろん、この経営理念が悪い訳では無いのですが、これを聞いて、

「よし、より良い福祉サービスを利用者様に提供して、地域に貢献して

やろう!」と介護スタッフが心から思うか?ということです。

 

これは、私の意見ですが、「なんか、よく分からん」というのが正直な

ところです。

 

つまり、経営理念というものは小難しいものを作成しても分かりにくいと

効果がありません。

 

スタッフの心に響くものでないと意味が無いのです。

 

また、いい経営理念を作ることに執着すると経営理念をつくることだけで

非常に時間がかかり、途中で心が折れて挫折してしまうこともあるでしょう。

 

したがって、まずは、上記の経営理念を騙されたと思って掲げてみては

いかがでしょうか?

 

経営者が本気で上記の2つの経営理念を信じて実行すれば、必ず効果が

上がると思います。

 

というわけで、今回は経営理念の作り方についてお話させていただきました。

 

しかし、経営理念というものは、いくら良いものをつくっても額に入れて

理事長室に飾っているだけでは全く効果を発揮しません。

 

経営者や経営幹部はもとより、介護スタッフ全員に浸透させなければ意味が

ないのです。

 

ということで、次回は、「経営理念を職員に浸透させる方法」についてお話し

たいと思います。

 

 

 

(資料)
公益財団法人 「平成29年度 介護労働実態調査結果について」
http://www.kaigo-center.or.jp/report/pdf/h29_chousa_kekka.pdf