職員から「辞めたい」と言われたときの対応方法

 

前回のブログでは、「職場の人間関係を改善するために経営者が行わなければ

いけない具体的な取り組み」についてお話しました。

 

今回も「職場の人間関係改善シリーズ」第2弾

「職場の人間関係を改善するための経営理念の作り方」

についてお話ししようと思ったのですが、前回のブログがあまりにも長文で固い

内容になったため、今回はちょっと違う話をしたいと思います。

 

先日、某ファストフード店で休憩をしていたときに、そのお店の店長らしき人と

スタッフらしき人がたまたま私の隣に座って、何か話をしていました。

 

特にその話を聞くつもりはなかったのですが、すぐ隣に座って話をされていた

ため自然と内容が聞こえてきました。

 

店長らしき人(以下「店長」とします): 「今月末で本当に辞めるの?」

スタッフらしき人(以下「スタッフとします): 「辞めます。もうこのお店で働く

ことに耐えられません」

店長: 「せっかく今まで頑張ってきたのに、今辞めたら勿体ないよ」

スタッフ: 「このお店で働くのに本当に疲れたんです。お願いします、辞めさせて

ださい」

店長: 「辞めてどうするの?」

スタッフ: 「次いくところはもう決まっています。再来月からそこで働くことに

なってます」

店長: 「今、君に辞められたら困るよ。なんとかとどまってくれないか?」

スタッフ: 「本当にこのお店で働くことに疲れたんです。辞めさせてください」

店長: 「君に辞められたら困るよ。再来月から就職するんだったら、来月は働い

てないんだよね?来月まで働いてくれないか?」

スタッフ 「もう本当にここで働くことに疲れたんです。今月末で退職します」

店長: 「分かった。残念だよ」

 

少し内容は変えていますが、このようなことを話されていました。

 

上記は、某ファストフード店でのお話でしたが、介護の世界もこの手の話は非常に

よくあります。

 

これを聞きながら私が思ったことは、「店長はスタッフがこんなことを言いだす前

に何か手を打ったのだろうか?」ということでした。

 

正直、スタッフが退職の意思表示をしてきたときは、時すでに遅しです。その

スタッフを引き留めることは非常に困難でしょう。

 

上司に退職の意志を伝えるということは、それまでに自分の中でいろんな葛藤を

乗り越えてようやく絞り出した結論なわけです。上司に伝える時も相当の勇気が

必要だったでしょう。その勇気を振り絞って「退職したい」と言ってきたということ

かなりの覚悟を持って決断した筈です。

 

それをちょっとやそっと引き留めたところで気持ちが変わるわけがありません。

つまり、退職の意思表示をスタッフが示す前に手を打たなければ退職を阻止する

ことは難しくなります。

 

普段は特に気にも留めていなかったくせに、職員がいざ退職の意思表示をした時

にあわてて引き留めてもダメです。スタッフも引き留められながらそう思っている

筈です。

 

日ごろの職員の様子などをよく観察して、何か雰囲気がおかしいなと感じた時は

早急に対処するのも経営者の重要な仕事です。

 

そのために、できれば毎月1回、5分程度で結構なので職員との個別面談の機

会を儲けることは職員の異変を察知して、退職を阻止する非常に有効な手段と

なります。

 

しかし、そこまでしても退職をゼロにすることは無理でしょう。スタッフはいろんな

理由で退職していきます。「他にいい仕事が見つかったから」「家の都合」など、

退職理由は様々です。

 

特によく頑張ってくれて事業所の主力となって働いてくれている介護スタッフに辞め

られるのは、経営者にとっては痛恨の極みです。

 

では、スタッフが退職の意志を伝えてきた時はどうすればいいでしょう?

 

まず、もちろん全力で引き留めてください。ただし、「君がいなければ来月のシフト

回せない!」など、事業所の都合を突き付けるのは逆効果なのでやめましょう。

それを聞いたスタッフは「やっぱり、事業所のことばかりで、自分のことなんか心配

してくれていない」と思うだけです。

 

退職理由を聞いて、その理由を解消できそうならすぐに手を打ちましょう。

 

しかし、退職理由をどうしても解消できない場合や、解消できてもスタッフの気持ち

が変わらない場合は、今まで頑張ってくれた感謝を素直にそのスタッフに伝えて下さ

い。有給消化などできる限りのことはしてあげましょう。

 

そして、退職日にそのスタッフに必ずこう伝えてください

「あなたの今後の活躍を心より願っています。応援しているので頑張って

 ください。ただ、もし、次の就職先を残念ながら辞めた時は、良かった

 らうちに連絡してきてね。うちは本当に大歓迎です。」

 

伝えるのは、戻ってきてほしいスタッフだけで結構です。

 

そして、できれば年賀状や暑中見舞いなど季節のお便りなどをそのスタッフに送るの

事業所を思い出してもらえるためには効果的です。ただし、「帰って来て」など

未練がましいお便りではなく、利用者様と楽しそうに過ごしている写真付きのはがき

を送る方がいいでしょう。また、帰りたいと思ってくれるかもしれません。

 

退職したスタッフは、以前働いていた事業所には負い目があったり等戻りづらいもの

です。戻りやすい環境を提供することも良いスタッフを確保する効果的な手段となり

ます。

 

 

(資料)
公益財団法人 「平成29年度 介護労働実態調査結果について」
http://www.kaigo-center.or.jp/report/pdf/h29_chousa_kekka.pdf