職場の人間関係を改善する方法 ②(経営者のモラルを改善する その1)

 

前回のブログでは、「職員の人間関係を解消していく方法」として、

 ① 経営者のモラルを改め、誠実に利用者様や入居者様に楽しく過ごして

   もらおうと自ら努力をする。また、介護職員にも誠実に接し、経営者

   から率先して介護職員に対して経営理念をことあるごとに言って聞かせ、

   また、経営者の方から職員に対して率先して挨拶するなど、職場環境

   の改善に勤める。

 ② 施設の理念に

    ・ 利用者様に毎日、楽しく過ごしてもらう

    ・ 職員同士助け合って仕事をする

   ことを掲げ、スタッフに浸透させる

 ③ 上記の理念を実現するための提案をスタッフからどんどん

   取り入れていく

 ④ 仕事内容の見直しを頻繁に行い、スタッフの負担を少しでも

   減らしていくよう努力する

 ⑤ 勤務態度が悪いスタッフを洗い出し、徹底的に注意・指導をする

 ⑥ 新人スタッフの指導は、幹部スタッフが必ず行う

の6つのことを実践していかなければいけないというお話をさせていただき

ました。

 

今回は、その6つの実践することの1つである

 ① 経営者のモラルを改め、誠実に利用者様や入居者様に楽しく過ごして

   もらおうと自ら努力をする。また、介護職員にも誠実に接し、経営者

   から率先して介護職員に対して経営理念をことあるごとに言って聞かせ、

   また、経営者の方から職員に対して率先して挨拶するなど、職場環境

   の改善に勤める。

についてお話させていただきます。

 

前回のブログでもお話させていただきましたが、私は介護スタッフとして

いくつもの介護事業所を渡り歩き、社会保険労務士の資格を取得して

からは、ハローワークの福祉人材コーナーという部署で3年間で、延べ

300ヶ所以上の介護事業所を訪問させていただきました。

 

私が訪問させていただいた介護事業所様の9割以上は、職員の定着に

頭を悩まされいましたが、その殆どの事業所様に言えるのは、

経営者の方の介護に対するモラルが低いということです。

 

そのような経営者の方は、共通して

 ・ 人が応募してくれないのは自社が悪いのではなく、介護業界全体

   が低賃金などのイメージが悪いせいだ

 ・ 自社の離職率が高いのも、自社が悪いのではなく、介護業界全体

   のイメージが悪いからだ

 ・ 募集してもろくなやつしか応募してこない

 ・ せっかく採用してやったのにすぐに辞めてしまう。根性の無いやつ

   ばかりで困る

 ・ こんなに人手不足で苦労しているのは政府の政策が悪いせいだ

とぼやかれていました。

 

これらの経営者の方の多くは、

 ・ 人が集まらないのは政府の政策が悪いから

 ・ 良い介護スタッフが集まらないのは、応募する人の質が下がっているから

 ・ すぐに辞めてしまうのは、スタッフの根性が無いから

と考えておられるようです。

 

しかし、介護業界全体が人手不足で困っているといっても、すべての

事業所が困っているというわけではありません。

 

私が訪問させていただいた事業所の中には、「人手不足?うちは

大丈夫です」という事業所も数件程度ではありますが、確かに存在します。

 

そのような事業所の経営者の方は、みなさん共通して介護という仕事や

スタッフの方に対する思いやりが非常にあり、

 ① 利用者様に楽しく元気で過ごしてもらいたい

 ② スタッフは利用者様に優しく元気に接してもらいたい

 ③ スタッフが疲れていたり元気が無ければ利用者様にも優しく元気で接する

   ことはできないので、スタッフが楽しく働ける職場にしたい

とみなさん考えておられ、実際に実践されていました。

 

私は、職員の定着は、介護リーダーや介護主任の努力や協力ももちろん必要

ですが、まずは何をおいても、経営者の方の介護の仕事に対するモラルを

変えていかないと絶対にうまくいかないと考えています。

 

よく考えてみて下さい。

賃金は安い、利用者の方の下のお世話もしなければいけない、体力もいる、

早出も夜勤もある、という介護業界で、

 「利用者様に喜んでもらえて、楽しく働ける」

ということすら無ければ誰が介護の仕事なんかに就こうと思います?

 

介護の仕事に就きたいと真剣に考えている方は、一番に

 「利用者様に喜んでもらえて、楽しく働ける職場」

を求めているのです。

 

私は数多くの介護事業所の経営者の方や介護スタッフの方を見てきましたが、

素晴らしい介護スタッフ、質の高いサービスを提供できる介護スタッフの方は

必ず「利用者様に喜んでもらえて、楽しく働きたい」と思っています。

これは、断言できます。

 

離職率が高い事業所、募集しても応募してもらえない介護事業所の経営者の方は

今までの介護の仕事に対する考え方をまずは改めるべきなのです。

 

こんなことを言うと、離職率が高い介護事業所の経営者の方は、

「そんなことは管理者や現場の責任者が考えることだ」

と決まって言われます。

 

いやいやいやいや、あなたの介護事業所は誰のものですか?

 

管理者や現場の責任者のものですか?

 

「管理者や現場の責任者に任せているのだから、彼らが責任を

もって事業運営するべきだ」と経営者の方は言われるかもしれません。

 

しかし、管理者の方や現場の責任者の方がその介護事業所のすべて

の決定権を与えられていますか?

 

管理者の方や現場の責任者の方が新しい介護施設を作ろうと思って

勝手に作れますか?その権限が与えられていますか?

 

管理者の方や現場の責任者の方が何か大きな買い物(例えば、車など)

をする場合、勝手に買えますか?

 

そこまでの権限を管理者の方や現場の責任者の方に与えておられるので

あれば、その介護事業所は管理者の方のものと言えるでしょう。

 

しかし、実際は、最高責任者である理事長や社長に決定権があることが

殆どです。

 

そうであるならば、まずは、その最高責任者である理事長や社長が率先して

改善に取り組まなければ誰が真剣に取り組んでくれるのでしょうか?

 

管理者の方や介護主任の方も所詮は雇われている身です。

一生懸命良くしようと頑張ったところで、それを経営者の方から否定されれば

やる気も無くしますし、他の事業所に移ろうと考えても不思議ではありません。

むしろ、そうするべきです。理解の無い経営者の元で働いていてもただただ

時間の無駄なだけです。

 

幸いにも、介護業界は超人手不足業界ですので、優秀な方は引く手あまたです。

 

では、具体的に

経営者のモラルを改め、誠実に利用者様や入居者様に楽しく過ごして

もらおうと自ら努力をする。また、介護職員にも誠実に接し、経営者

から率先して介護職員に対して経営理念をことあるごとに言って聞かせ、

また、経営者の方から職員に対して率先して挨拶するなど、職場環境

の改善に勤める。

方法はどうすればいいか?

 

長くなりましたので、詳細は次回のブログでお話させていただきます。

 

 

(資料)
公益財団法人 「平成29年度 介護労働実態調査結果について」
http://www.kaigo-center.or.jp/report/pdf/h29_chousa_kekka.pdf