介護事業所が実施している早期離職防止や定着促進のための方策(平成29年度)

先日、公益財団法人 介護労働安定センターから平成29年度 「介護労働実態調査」

の結果が公表されました 。

 

介護事業所が実施している早期離職防止や定着促進のための方策(複数回答可)は

以下の通りです。

 

  1 本人の希望に応じた勤務体制にする等の労働条件の改善

    にとりくんでいる                        67.5%

  2 残業を少なくする、有給休暇を取り易くする等の労働条件の

    改善に取り組んでいる                       52.4%

  3 職場内の仕事上のコミュニケーションの円滑化を図っている

    (定期的なミーティング等)                 51.8%

  4 非正規職員から正規職員への転換の機会を設けている      48.9%

  5 能力や仕事ぶりを評価し、賃金などの処遇に反映している    41.1%

  6 悩み、不満、不安などの相談窓口を設けている(メンタル

    ヘルスケア対策を含む)                   36.8%

  7 賃金水準を向上させている                  36.4%

  8 仕事内容の希望を聞いて配置している             35.7%

  9 業務改善や効率化等による働きやすい職場づくりに力を

    入れている                         34.2%

 10 能力開発を充実させている(社内研修実施、社外講習

    等の受講・支援等)                     33.8%

 11 経営者・管理者と従業員が経営方針・ケア方針を共有

    する機会を設けている                    29.6%

 12 健康対策や健康管理に力を入れている             29.4%

 13 キャリアに応じた給与体系を整備している              28.8%

 14 福利厚生を充実させ、職場内の交流を深めている

    (親睦会の実施を含む)                    27.4%

 15 職場環境を整えている(休憩室、談話室等の確保)        22.8%

 16 新人の指導担当・アドバイザーを置いている           20.9%

 17 管理者・リーダー層の部下育成などの教育研修に力を入れて

    いる                             16.5%

 18 職員の仕事内容と必要な能力等を明示している          14.2%

 19 子育て支援を行っている(子供預り所を設ける、保育費用

    支援等)                            9.5%

 20 介護ロボットやICT等の導入による働きやすい職場づくりに

    力を入れている                         5.0%

 21 特に方策は取っていない                     2.1%

 

 

という結果になっております。

 

どこの事業所も人の確保のためいろいろな取り組みをされているようですが、私が

特に重要だと思ったのは、

11位 経営者・管理者と従業員が経営方針・ケア方針を共有する機会を設けている

です。

 

まずは、経営者がどのような経営方針・ケア方針を持っているのか、それを事ある

ごとに経営者から従業員に根気強く伝えていかなければ、経営者の思いは伝わり

ません。

 

職員が辞めない介護事業所、経営者の考えている介護事業所の実現は、まず

経営者が従業員に経営方針を伝えることから始まります。

 

また、9位 業務改善や効率化等による働きやすい職場づくりに力を入れている

も重要です。

 

やはり、離職理由の大きな理由である「残業」を無くすために業務改善や効率化を

促進していくことも職員の定着率を上げる方法です。

 

16位 新人の指導担当・アドバイザーを置いていることでどのような効果がある

かというと、新人の教育を幹部クラスの指導担当がしっかり行うことによって、

職員による仕事の仕方のバラつきを抑えることができ、また、経営方針やケア方針

などを新入職員に浸透させることができます。

 

よくある話ですが、指導担当によって教え方が違ったり、ケアの方針が違ったり、

また、そもそも仕事をちゃんと教えてもらえないと、新入職員は不安になり離職

してしまうことが多々あります。

 

離職率が高い時期である入社時の指導を幹部クラスの指導担当がしっかり行う

ことによってかなりの離職を防ぐことができます。

 

10位 能力開発を充実させている(社内研修実施、社外講習等の受講・支援等) 

ことのメリットは、良い介護職員は自己向上を目指す方が多いので、

社内研修や社外のセミナーへの受講は彼らの満足度を上げる要因になります。

 

ただし、強制的に研修を受講させるなどは逆効果になり、かえって離職者を増やす

ことになるので、あくまでも希望者に対して積極的に援助する程度にとどめた方が

効果的でしょう。

 

19位 子育て支援を行っている(子供預り所を設ける、保育費用支援等)ことの

メリットは、どの職種でもそうですが子供が小さい等の理由から働けない方は、

昨今非常に多いです。

 

その方々をいかに獲得するかということも応募者が少ない介護業界にとっては

人手不足を解消する大きな要因になると私は思っています。

 

できれば、職員用の託児所や保育園の設置は費用もかかりますが、

人材確保には大きな武器になるでしょう。

 

 

 

(資料)
公益財団法人 「平成29年度 介護労働実態調査結果について」
http://www.kaigo-center.or.jp/report/pdf/h29_chousa_kekka.pdf